2011年4月22日金曜日

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復興税へ財務省が暗躍 消費の低迷や輸出不振に陥り、公共投資の効果打ち消す恐れ

2011.04.22

 復興構想会議が14日からスタートした。びっくり仰天したのは、会議の冒頭で五百旗頭真(いおきべ・まこと)議長から復興税の構想が出された。何も議論していないうちに増税の方向となって、それをきっかけに、一気に増税ムードが強まってきた。

復興債を発行するが、これは増税のためのつなぎ国債であり、2012年度から3年間限定で消費税3%上げという案が出ている。そして「復興に要する経費は国民全体で負担する」と精神論を理屈としている。

もちろん、この増税論は経済のセオリーに反している。100年に一回という大震災のショックは100年に分割して、現在と将来の国民が負担すべきもので、そのためには100年国債にするものだ。

しかも、大震災復興では、社会インフラの整備が中心だ。津波で社会インフラが一掃されたところに新たに作るものは、社会的な生産力が高く、目をつぶっても B/C(ベネフィット=便益/コスト=費用)基準をクリアする。となると公共投資理論からみても、建設公債で財源調達すべきものだ。

こうしたインフラ投資は、100年間も便益を生むので財政再建の立場から見ても、建設国債発行しても正当化できる。赤字国債ではないので将来世代への付け回しを心配することはない。

しかし、増税を悲願とする財務省は、用意周到に復興構想会議を水面下で誘導してきた。五百旗頭議長だけでなく他のメンバーも異口同音に復興税を唱える。

復興構想会議の事務局は財務省出身の佐々木豊成内閣官房副長官補が取り仕切っている。会議のスケジュール設定等を通じてメンバーに接触して、復興増税を吹 き込んだはずだ。財務省は、総理秘書官、官房長官秘書官など様々な官邸内の重要ポストを握っており、官邸全体をコントロールすることもできる。

さらに、各新聞社の論説委員クラスへの「ご説明」という説得を繰り返して、増税工作を行ってきたのだろう。

つなぎ国債を発行して、その償還財源のために2012年度から3年間限定で消費税3%上げとなったらどうなるのか。

今年度末には増税前の駆け込み需要があるが、12年度に入ると消費はそれ以上に落ち込む。政府は12年度には復興需要が出てくるとみてるが、はたしてそう だろうか。マンデル=フレミング効果を考えると、つなぎ国債を発行すると円高方向にふれて輸出が減少する。これは1995年の阪神淡路大震災でもみられた ことである。

となると、公共投資の景気押し上げがあるものの、被災地と非被災地双方で消費低迷し、円高が加わり輸出不振となって、日本経済全体としてはかなり苦しくなるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
 
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