2011年4月14日木曜日

原発事故支援へ、米軍部隊「シーバーフ」 化学・生物兵器のプロ

2011.4.1 08:04
米軍の原発支援状況
米軍の原発支援状況
医療・除染・復旧も担当
  東日本大震災に伴う福島第1原発事故の深刻化を受けて、米軍から派遣される「化学・生物兵器事態対応部隊(CBIRF=シーバーフ)」は、米本土での核・ 生物・化学テロなどを想定して訓練を積んできた。米国内でも厚いベールに包まれてきた部隊が日本で起きた未曽有の原発事故という“有事”にいかに能力を発 揮するか注目されている。(田中靖人、ワシントン 佐々木類)
 シーバーフは平成7(1995)年の地下鉄サリン事件を受けて1996年4月に設置された米軍で唯一常設の化学・生物兵器事態への即応能力を持つ約500人の部隊だ。
 現在は、2001年の米中枢同時テロを受けて米本土防衛を主任務に創設された米北方軍(コロラド州)傘下の特殊部隊「CCMRF(シースマーフ)」に所属している。
 シースマーフは、陸、海、空、海兵隊の4軍で構成された1個旅団規模の統合特殊部隊(約4700人)。バージニア州フォートモンローの米陸軍基地などで、核攻撃や原発へのテロ攻撃、生物、化学兵器テロや原発事故などを想定した訓練を続けている。
 具体的には、被災地の自治体や民間の病院などと連携しながら、高濃度汚染地域からの被災者の救出・搬送、汚染源の特定と汚染濃度の観測、要員・部隊の除染などに従事する。がれきの除去や移動経路の建設、物資輸送など被災地の復旧活動も担う。
  有事の際にシースマーフの初動部隊として出動するシーバーフは2個の初期対応部隊で構成され、各部隊には偵察チーム、被災者捜索・救出チーム、医療チー ム、除染チーム、爆発物処理チームがある。今回日本に約140人が派遣されるが、実際の放射能汚染下での行動は初めてとみられ、現在、自衛隊との具体的な 連携方法を詰めている。


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